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ドローンの点検整備記録の記入例|項目別の書き方と迷いやすい欄を整理!

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ドローンの点検整備記録の記入例を探している人の多くは、国土交通省の様式を見ても、どこまで詳しく書けばよいのか、日常点検記録や飛行記録と何を分ければよいのかで迷いやすい状況にあります。

点検整備記録は、単に「異常なし」と残すための帳票ではなく、機体に対していつ、どこで、誰が、どのような点検や整備を行い、その理由は何だったのかを後から追えるようにするための記録です。

特に特定飛行を行う場合は飛行日誌の作成が制度上重要になり、国土交通省も飛行記録、日常点検記録、点検整備記録に関する様式や取扱要領を公開しているため、自己流のメモだけで済ませず、必要項目を押さえた書き方にしておく必要があります。

この本文では、実務でそのまま考え方を転用しやすい記入例を示しながら、登録記号、実施年月日、総飛行時間、点検整備の内容、実施理由、実施場所、実施者、その他特記事項の書き方を、初心者にもわかりやすい順番で整理します。

目次

ドローンの点検整備記録の記入例

ドローンの点検整備記録は、機体に対して実施した点検、修理、改造、整備の事実を残す欄として使うのが基本です。

国土交通省の取扱要領では、点検整備記録に登録記号、実施年月日、総飛行時間、作業内容、実施理由、実施場所、実施者、その他特記事項を記載する考え方が示されており、まずはこの並びに沿って書くと抜け漏れを防ぎやすくなります。

記入で大切なのは、きれいな文章を書くことではなく、第三者が読んだときに「なぜその作業をしたのか」「どこをどう直したのか」「次に何を確認すべきか」が判断できる程度の具体性を持たせることです。

そのまま使える記入例

点検整備記録の書き方で迷ったときは、最初に一つの完成例を見てから各欄を分解して考えると、日常点検で見つけた異常と整備記録に残す処置のつながりが理解しやすくなります。

例えば飛行前の確認でプロペラに欠けを見つけた場合、日常点検記録には発見した異常を残し、点検整備記録には交換作業や動作確認の結果を残すという役割分担にすると、後から経緯を追いやすくなります。

項目記入例
登録記号JU1234567890
実施年月日2026年4月10日
総飛行時間18時間35分
内容右前プロペラ交換
実施理由飛行前点検で欠けを確認
実施場所東京都内作業場
実施者山田太郎
特記事項交換後に回転確認済み

この例では短い表現に見えますが、欠けを確認した事実、交換した部位、作業後に確認した内容が入っているため、単なる「整備済み」よりも再現性のある記録になります。

業務で使う場合は、部品名や型番、交換前後の写真番号、点検者と確認者の分担などを社内ルールで補足しておくと、事故調査や顧客報告で説明できる情報量を確保しやすくなります。

登録記号

登録記号は、どの機体の点検整備記録なのかを特定するための入口になる項目なので、機体名やニックネームだけで済ませず、登録制度で通知された記号を正確に記入します。

複数のドローンを同じ現場で使う事業者では、機体名が似ていたり、同じメーカーの同型機を複数台保有していたりするため、登録記号を省くと整備履歴を別の機体にひも付けてしまうおそれがあります。

記入例としては「JU1234567890」のように、社内の管理番号ではなく公的な登録記号を先に書き、必要に応じて「機体管理番号A03」などを備考的に添えると混乱を避けられます。

中古購入やリース機体を使う場合は、登録記号、製造番号、社内管理番号の関係を運用開始時に整理しておき、点検整備記録と飛行記録で同じ表記を使い続けることが重要です。

登録記号を毎回手入力すると転記ミスが起きやすいため、テンプレート化した表紙や機体別ファイルを用意し、記録する人が変わっても同じ機体を同じ記号で追える状態にしておくと安心です。

実施年月日

実施年月日は、点検整備の作業を開始した日を西暦で書くのが基本であり、飛行日、異常発見日、部品手配日、作業完了日が異なる場合は混同しないように整理して記入します。

例えば4月8日の飛行後点検で不具合を発見し、4月10日にプロペラ交換を実施した場合、点検整備記録の実施年月日は4月10日とし、不具合の発見経緯は内容欄や特記事項欄に補足すると読みやすくなります。

日付が曖昧な記録は、次回点検時期の判断や不具合の再発間隔の把握に使いにくくなるため、現場から戻ってからまとめて記入するのではなく、作業当日に残す運用を決めておくべきです。

夜間作業や日をまたぐ対応をした場合は、作業を開始した日と完了した日を分けて書くか、特記事項に「同日22時開始、翌日0時30分完了」のように補足すると、後日の確認で誤解が少なくなります。

社内帳票で和暦と西暦が混在していると検索や並べ替えで不便になるため、ドローンの点検整備記録では西暦に統一し、表記ゆれを避けることも実務上の大切な工夫です。

総飛行時間

総飛行時間は、点検整備を行った時点で機体がどれだけ使用されていたかを示す重要な情報であり、部品交換や定期点検の判断をするうえで欠かせません。

国土交通省のガイドラインでは、機体認証を受けていない無人航空機については、点検整備作業を実施した時点での総飛行時間を記入する考え方が示されています。

記入例としては「18時間35分」や「18:35」のように表記を統一し、飛行記録の累計と点検整備記録の総飛行時間が食い違わないよう、記録の起点と加算方法を決めておくことが大切です。

総飛行時間がわからない場合に空欄のまま残すと、いつ部品を交換したのかを時間軸で追えなくなるため、制度開始後や管理開始後の累計など、把握できる範囲を明記して管理を再開する発想が必要になります。

バッテリーごとの使用回数、プロペラごとの交換履歴、モーターごとの異音発生履歴などを総飛行時間と一緒に見ると、単なる帳票ではなく保全計画の材料として活用できます。

作業内容

作業内容は、点検整備記録の中心になる欄であり、「点検した」「修理した」だけではなく、対象部位、実施した作業、確認した結果をできるだけ具体的に書く必要があります。

例えば「モーター点検」だけでは、外観を見たのか、異音を確認したのか、清掃したのか、部品を交換したのかがわからないため、「左後モーター周辺を清掃し、手回しで引っ掛かりなしを確認」のように書くと実務に使えます。

部品を交換した場合は、プロペラ、ランディングギア、ジンバル部品、ねじ、カメラマウントなど、交換した部位が特定できる名称を残し、必要に応じて部品型番や数量も記入します。

改造や装備品の取り付けを行った場合は、空撮用カメラ、薬剤散布装置、測量用モジュールなど、飛行性能や重量に関係する装備の変更内容を残しておくと、次回の飛行計画や許可承認条件の確認にも役立ちます。

作業内容は後から責任追及のためだけに見るものではなく、次の操縦者が安全に飛ばせるかを判断する資料でもあるため、作業者の頭の中にある前提を省略しないことが大切です。

実施理由

実施理由は、なぜその点検整備を行ったのかを示す欄であり、異常対応、定期点検、メーカー推奨、墜落や接触後の確認、装備変更、飛行前後の不具合対応などを区別して記入します。

同じプロペラ交換でも、飛行前点検で欠けを見つけた交換と、使用時間に応じた予防交換では意味が異なるため、理由を残しておくことで機体の故障傾向や運用上の問題を分析しやすくなります。

  • 飛行前点検で異常を確認
  • 飛行後点検で汚れを確認
  • メーカー推奨時期に到達
  • 接触後の安全確認
  • 装備品変更に伴う確認
  • 定期点検の実施

記入例としては「飛行前点検で右前プロペラ先端の欠けを確認したため」や「20時間到達に伴う定期点検のため」のように、原因と判断根拠がわかる書き方が使いやすいです。

実施理由が曖昧だと、過剰整備なのか必要な処置なのかを判断しにくくなるため、社内でよく使う理由の表現をあらかじめリスト化しておくと、担当者ごとの記入差を小さくできます。

実施場所

実施場所は、点検整備をどこで行ったのかを示す項目であり、屋外現場、社内整備スペース、メーカー修理拠点、講習施設、顧客先などを区別して書くと、記録の信頼性が上がります。

場所の書き方は、住所を細かく書く必要がある場面と、社内で特定できる名称で十分な場面がありますが、後から第三者が確認したときに作業環境が想像できる程度の情報は残しておきたいところです。

例えば「現場」とだけ書くよりも、「埼玉県川越市の橋梁点検現場待機車内」や「東京都内事務所の整備机」のように書くと、砂じん、風雨、照明、工具の有無など作業環境に関する推測もしやすくなります。

屋外で応急処置を行い、帰社後に再点検した場合は、同じ不具合に対して複数の記録を分けるか、特記事項に流れを残すと、現場対応と正式整備の違いがわかりやすくなります。

実施場所は一見すると軽い項目ですが、墜落後の確認や水濡れ後の乾燥対応では作業環境が結果に影響することもあるため、単なる地名ではなく状況を示す記録として扱うと有用です。

実施者

実施者は、点検整備を実際に行った人を記入する欄であり、組織で運用する場合は操縦者、整備担当者、管理責任者、外部修理事業者のどの立場なのかもわかるようにしておくと安心です。

国土交通省の様式では実施者が記名する考え方になっているため、単に会社名を書くのではなく、誰が作業したかを追える形にすることが基本です。

外部に修理を依頼した場合は、実施者欄に修理事業者名と担当者名を残し、社内の確認者を特記事項や別欄に残すと、作業実施と受入確認を分けて管理できます。

複数人で整備を行った場合は、代表者だけを書いて終わらせるのではなく、主要作業者と確認者を分ける運用にすると、プロペラ交換、ファームウェア更新、動作確認などの責任範囲が明確になります。

個人運用でも実施者欄を省略しないことが大切で、将来機体を譲渡したり業務利用に切り替えたりしたときに、整備履歴の信頼性を説明しやすくなります。

その他特記事項

その他特記事項は、次回の点検時期、追加で観察すべき部位、応急処置の扱い、メーカー修理の予定、飛行再開の条件など、標準項目だけでは表しにくい情報を残すために使います。

例えば「交換後ホバリング確認5分、異音なし」や「次回20時間到達時に左後モーターの回転音を再確認」のように書くと、点検整備がその場限りではなく次の運用につながります。

特記事項を空欄にしても問題がない場合はありますが、不具合対応や応急処置をしたときは、飛行再開の可否や次回確認すべき条件を残しておくと安全判断の助けになります。

国土交通省の飛行計画の通報・飛行日誌の作成のページには、飛行日誌の取扱要領や様式が掲載されているため、社内様式を作る場合も公式様式にある項目を土台にすると整合しやすくなります。

特記事項は自由記述であるぶん担当者ごとの差が出やすいため、よくある文例を社内で共有し、短くても判断材料になる内容を残す意識を持つことが重要です。

点検整備記録に必要な項目を正しく理解する

点検整備記録を正しく書くには、まず飛行日誌全体の中でどの位置づけにあるのかを理解する必要があります。

飛行日誌には、飛行の実績を残す飛行記録、飛行前点検などの日常点検結果を残す日常点検記録、点検や修理や改造の履歴を残す点検整備記録があり、それぞれの役割を混ぜないことが大切です。

点検整備記録は、異常があったときだけ書くものではなく、定期点検や部品交換、装備品の取り付けや取り外しなど、機体の状態に関わる作業を時系列で追えるようにするための記録です。

公式様式の考え方

点検整備記録は、国土交通省が示す様式3またはこれに相当する様式を基準に考えると、必要な項目を漏らさず設計しやすくなります。

様式そのものをそのまま使う方法もありますが、記載内容が網羅されていれば社内の運用に合わせて必要事項を追加できるため、写真番号、部品型番、確認者、次回予定などを足すことも現実的です。

区分押さえる内容
機体情報登録記号
時期実施年月日
使用状況総飛行時間
作業点検や交換内容
理由実施した根拠
責任場所と実施者
補足次回予定など

この整理で見ると、点検整備記録は単なる作業メモではなく、機体情報、使用状況、作業事実、判断理由、責任の所在、次回への申し送りを一つにまとめる管理資料だとわかります。

公式様式に近い形で社内テンプレートを作っておけば、個人の書き方に依存せず、操縦者が変わっても同じ視点で機体状態を確認できるようになります。

日常点検との違い

日常点検記録と点検整備記録の違いは、発見した状態を残すのか、その状態に対して実施した作業を残すのかという点にあります。

飛行前に「プロペラに欠けあり」と確認した事実は日常点検記録に残し、その欠けに対して「右前プロペラを交換し、回転確認で異常なし」と処置した事実は点検整備記録に残すと考えると整理しやすくなります。

  • 日常点検記録は点検結果
  • 点検整備記録は作業履歴
  • 飛行記録は飛行実績
  • 異常発見と処置は分ける
  • 必要に応じて相互参照する

この区別をしないまま一つの欄にすべてを書き込むと、後から不具合の発見時点と処置時点を追いにくくなり、飛行を中止すべきだったか、整備後に再開できたかの判断もぼやけます。

業務運用では、日常点検記録に「詳細は点検整備記録2026年4月10日参照」と書き、点検整備記録に「4月8日の飛行後点検で発見」と書くように、双方がつながる表現を使うと実務に強い記録になります。

機体ごとの管理

点検整備記録は操縦者ごとではなく機体ごとに残す考え方が基本であり、同じ操縦者が複数機を飛ばす場合でも、機体ごとに履歴を分けて管理する必要があります。

機体ごとに記録を分ける理由は、プロペラやモーターやバッテリー接点などの劣化が機体単位で進むため、操縦者の経験ではなく機体の使用実績に基づいて安全状態を判断しなければならないからです。

例えば同じDJI系の機体を2台運用している場合、外観が似ているため「1号機で発生した異音」を誤って2号機の記録に残してしまうと、必要な整備を逃したり、不要な部品交換をしたりする原因になります。

紙で管理するなら機体別のファイル、電子で管理するなら登録記号別のフォルダや台帳を作り、飛行記録、日常点検記録、点検整備記録を同じ機体単位で並べると確認が速くなります。

レンタル機体や共有機体では、誰が飛ばしたかよりも機体がどの状態で返却されたかが重要になるため、返却時点の点検と必要な整備を機体記録に確実に残す運用が必要です。

記入ミスを避ける実務上の注意点

点検整備記録でよくあるミスは、項目を空欄にすることだけではなく、言葉が抽象的すぎて後から作業内容を再現できないことです。

「確認済み」「問題なし」「修理完了」という表現は便利ですが、どこを何の基準で確認したのかが書かれていないと、整備履歴としての価値が下がります。

ここでは、実務で特に起こりやすい記入ミスを、異常なしの扱い、総飛行時間のズレ、部品交換の記録という三つの観点から整理します。

異常なしの扱い

点検整備記録に「異常なし」と書いてよい場面はありますが、何を確認して異常がなかったのかを添えないと、後から読んだ人には作業範囲が伝わりません。

例えば接触後の確認なら、「外観に損傷なし」だけでなく、「プロペラを外して欠けなし、モーター手回しで抵抗なし、短時間のホバリングで異音なし」のように、確認した範囲を分けて書くと安全判断に使いやすくなります。

  • 外観損傷なし
  • プロペラ欠けなし
  • モーター異音なし
  • ジンバル動作正常
  • ホバリング確認済み
  • 飛行再開可と判断

「異常なし」は結論としては短くてよいものの、その前提となる確認項目が抜けると、単なる印象に近い記録になってしまいます。

特に墜落、接触、水濡れ、強風下での飛行後は、異常なしと書く前にどの部位をどの方法で確認したかを残し、必要なら飛行再開を保留した判断も記録することが大切です。

総飛行時間のズレ

総飛行時間のズレは、点検整備記録の信頼性を下げる代表的なミスであり、飛行記録と整備記録を別々に管理していると起こりやすくなります。

総飛行時間は部品交換の周期や定期点検のタイミングを判断する材料になるため、1回ごとの飛行時間を正しく加算し、点検整備をした時点の累計として記録する必要があります。

ミス起こる問題
前回累計を転記ミス点検時期がずれる
分単位を丸める累計が合わない
機体を取り違える履歴が混在する
飛行記録未入力整備根拠が弱い
管理開始日が不明起点が説明できない

ズレを防ぐには、飛行記録を更新した後で点検整備記録に反映する流れを固定し、機体別の累計欄を一つの台帳で管理するのが現実的です。

過去の総飛行時間が完全にわからない場合は、推測で埋めるのではなく、いつからの累計なのかを明記したうえで、以後の記録を正確に積み上げるほうが安全です。

部品交換の書き方

部品交換をした場合は、交換した事実だけでなく、交換前の状態、交換した部位、交換後の確認結果を一体で残すと、次回点検や不具合調査で役立ちます。

「プロペラ交換」とだけ書くよりも、「右前プロペラ先端に欠けを確認したため、同規格の新品に交換し、装着状態と回転を確認」のように書くと、作業の理由と結果が明確になります。

バッテリー、プロペラ、モーター、アーム、ジンバル、ランディングギアなどは、機体の安全性や撮影品質に直接影響しやすいため、交換対象の左右や前後がわかる表現を使うことが重要です。

メーカー修理に出した場合は、返却時の修理明細を保存するだけでなく、点検整備記録にも「メーカー修理によりジンバルユニット交換、返却後動作確認済み」のように概要を残しておくと、機体台帳だけで履歴を把握できます。

消耗品の交換頻度が高い業務では、交換記録を細かく残すことで、特定の現場環境で摩耗が早いのか、操縦方法や保管方法に改善余地があるのかも見えやすくなります。

業務で使いやすい管理方法を作る

点検整備記録は、正しく書くだけでなく、現場で続けられる形にしなければ意味がありません。

帳票が複雑すぎると記入が後回しになり、簡単すぎると必要な情報が残らないため、公式様式の項目を土台にしつつ、自社の飛行内容に合わせて補足欄を足すのが現実的です。

ここでは、紙と電子の使い分け、現場で残す証拠、共同運用時の確認者という三つの視点から、継続しやすい管理方法を説明します。

紙と電子の使い分け

紙の記録と電子の記録はどちらが正解というより、現場で確実に記入できる方法と、事務所で検索や集計がしやすい方法を組み合わせるのが実用的です。

屋外現場では通信環境や天候の影響を受けるため紙の点検表が役立つ場面があり、帰社後の集計や写真添付や検索には電子台帳が向いています。

方法向いている場面
紙の様式屋外現場
表計算ソフト社内台帳
クラウド管理複数拠点
写真フォルダ証拠保存
機体別ファイル単独運用

紙で記入した内容を電子化する場合は、後から清書する人が判断で内容を変えないよう、原本画像やスキャンを残しておくと改ざんや転記ミスの疑いを減らせます。

電子台帳では登録記号、実施年月日、総飛行時間、作業内容、実施理由を列として固定し、自由記述の特記事項を最後に置くと、検索しやすさと記録の柔軟性を両立できます。

現場で残す証拠

点検整備記録の説得力を高めるには、文字だけでなく写真、動画、部品の保管、メーカー修理明細などを必要に応じてひも付けることが有効です。

特に接触後の確認や部品交換では、作業前の状態と作業後の状態を写真で残しておくと、後から「本当に交換したのか」「どの程度の損傷だったのか」を説明しやすくなります。

  • 作業前の損傷写真
  • 交換部品の写真
  • 作業後の装着写真
  • 動作確認の動画
  • メーカー修理明細
  • 確認者の署名

ただし、証拠を増やしすぎると管理が複雑になり、必要なときに探せなくなるため、写真番号やファイル名を点検整備記録の特記事項に残す運用が大切です。

例えば「写真A03からA05参照、交換前後を撮影済み」のように短く書くだけでも、帳票と証拠ファイルがつながり、後日の確認負担を大きく下げられます。

共同運用の確認者

複数人でドローンを運用する場合は、点検整備を実施した人と、飛行再開を判断した人を分けて記録する仕組みを作ると安全管理が安定します。

実施者だけを記録していると、作業をした人が自分の作業を自分で確認する形になり、見落としが起きても気づきにくい場合があります。

例えば整備担当者がプロペラ交換を行い、別の操縦者が装着方向、固定状態、回転音、短時間ホバリングを確認してから次の飛行に入る流れにすると、現場の心理的な焦りを抑えやすくなります。

確認者欄が公式様式にない場合でも、社内様式の特記事項や追加欄に「確認者」「飛行再開判断者」を設けることで、責任の押し付けではなく安全判断の透明性を高められます。

人員が少ない個人事業でも、作業後に時間を置いて再確認する、写真を拡大して確認する、飛行前点検を別の手順でやり直すなど、確認者を置けない状況に応じた代替策を決めておくと安心です。

業務別に変わる書き方のポイント

ドローンの点検整備記録は共通項目を押さえることが大前提ですが、実際には空撮、測量、インフラ点検、農薬散布、レンタルなどの業務内容によって重視すべき記録が変わります。

同じ機体を使っていても、海沿いで飛ばすのか、山間部で飛ばすのか、粉じんの多い現場で飛ばすのか、薬剤を扱うのかによって劣化や不具合の出方は異なります。

ここでは、業務別にどのような点を点検整備記録へ反映すべきかを整理し、必要以上に長くならず、しかし後から使える記録にする考え方を示します。

空撮や測量

空撮や測量では、機体の飛行安全だけでなく、カメラ、ジンバル、測位精度、レンズの汚れ、記録媒体の扱いなど、成果物の品質に影響する部分も意識して点検整備記録を残す必要があります。

例えばジンバルの微振動やレンズ汚れは墜落に直結しなくても、撮影データや測量データの品質に影響するため、作業内容欄に「ジンバル動作確認」「レンズ清掃」「カメラ固定部確認」などを残すと有効です。

  • ジンバル動作
  • カメラ固定
  • レンズ清掃
  • 記録媒体確認
  • 測位関連確認
  • 振動の有無

空撮現場では短時間で移動を繰り返すことも多いため、現場ごとの飛行後点検で異常を見つけた場合は、次の現場へ持ち越さないよう点検整備記録に処置を残すことが大切です。

測量業務では、機体整備の記録が成果品の品質説明を支えることもあるため、単に安全面だけでなく、センサーやカメラ周辺の状態を丁寧に残す意識が求められます。

インフラ点検や農薬散布

インフラ点検や農薬散布では、一般的な空撮よりも機体が厳しい環境にさらされることがあり、粉じん、湿気、薬剤、構造物への接近、離着陸場所の悪条件などを考慮した記録が重要になります。

橋梁、送電線、屋根、外壁、農地などの現場では、プロペラやモーターだけでなく、センサー、散布装置、ノズル、タンク、配管、カメラマウントなど、業務装備に関する点検整備も残す必要があります。

業務記録したい部位
橋梁点検プロペラとセンサー
送電線点検カメラと通信系
屋根点検ジンバルと外装
農薬散布タンクとノズル
森林調査モーターと防塵

農薬散布機では、薬剤が付着したまま保管すると部品劣化や詰まりにつながることがあるため、散布後の洗浄、ノズル確認、乾燥、漏れ確認を点検整備記録に残すと次回作業の安全性が高まります。

インフラ点検では構造物に接近して飛行することが多いため、軽い接触や枝葉との接触があった場合でも、外観確認だけで済ませず、影響を受けやすい部位を記録に残すことが大切です。

レンタルや中古機体

レンタル機体や中古機体では、自分が使い始める前の整備履歴が不完全なこともあるため、運用開始時点の状態確認を点検整備記録に残すことが重要です。

中古機体を購入した直後は、総飛行時間、バッテリー状態、プロペラ交換履歴、墜落歴、メーカー修理歴などが不明な場合もあるため、わからない情報を推測で埋めず、把握できる情報と不明な情報を分けて書きます。

レンタル運用では、貸出前点検、返却時点検、返却後整備を分けて残すと、利用者が持ち込んだ損傷なのか、もともとあった劣化なのかを判断しやすくなります。

記入例としては「中古購入時点で過去整備履歴の一部不明、外観確認と短時間ホバリングで異常なし、以後は本台帳で累計管理開始」のように、起点を明確にする書き方が現実的です。

履歴が不十分な機体ほど最初の記録が大切になるため、購入日や受領日を境に自社管理を開始し、以後の点検整備を丁寧に積み上げることで安全性と説明力を高められます。

公式資料を使いながら社内様式に落とし込む

点検整備記録を継続するには、公式資料の内容を理解したうえで、自社の運用に合う様式へ落とし込むことが重要です。

国土交通省は飛行日誌に関する取扱要領、ガイドライン、様式を公開しているため、最初から独自項目だけで帳票を作るより、公式様式の考え方を土台にしたほうが抜け漏れを減らせます。

ここでは、公式資料の使い方、社内ルール化、外部提出や説明に備える記録の整え方を説明します。

公式資料の確認

ドローンの点検整備記録を作るときは、まず国土交通省の無人航空機の飛行日誌の取扱要領無人航空機の飛行日誌の取扱いに関するガイドラインを確認すると、飛行日誌全体の構成を理解しやすくなります。

公式資料では、飛行日誌が飛行記録、日常点検記録、点検整備記録で構成される考え方や、点検整備記録に書く項目の意味が示されています。

  • 飛行記録の役割
  • 日常点検記録の役割
  • 点検整備記録の役割
  • 機体ごとの管理
  • 様式に相当する記録
  • 記載例の確認

公式資料を読む目的は、文章を丸写しすることではなく、なぜその項目が必要なのかを理解して、自社の帳票でも同じ意味を保てるようにすることです。

特定飛行を行う事業者はもちろん、特定飛行以外の飛行でも記録を残しておくと、機体の状態管理や安全教育に役立つため、早い段階で標準様式を整えておく価値があります。

社内ルール化

社内ルール化では、誰が、いつ、どの様式に、どこまで書くのかを決めておくことが重要です。

点検整備記録の内容が担当者ごとにばらつく原因は、知識不足だけでなく、どの程度の異常や作業を記録対象にするのかが決まっていないことにもあります。

決める項目ルール例
記入者作業実施者
記入時点作業当日
写真添付交換時は必須
確認者業務前に確認
保管単位機体別
更新方法原本を残す

例えば「プロペラ交換は必ず点検整備記録に記入」「軽微な清掃は日常点検記録の備考に記入」「接触後は点検整備記録にも残す」のように、判断基準を具体的にすると現場で迷いにくくなります。

ルールは細かくしすぎると続かないため、最初は安全に直結する部品交換、不具合対応、接触後確認、装備変更、定期点検を必須記録にし、運用しながら改善する形が現実的です。

説明に備える記録

点検整備記録は、社内の安全管理だけでなく、顧客、元請け、保険会社、関係者に対して機体管理の状況を説明する材料になることがあります。

特に業務でドローンを使う場合、飛行計画や操縦者の技能だけでなく、機体が適切に管理されているかも信頼性に関わるため、整備履歴を整理して提示できる状態にしておくと安心です。

説明に備える記録では、専門用語だけで書くのではなく、第三者が読んでも「どの部位に何が起きて、どのように処置され、現在はどの状態なのか」が追える表現を意識します。

例えば墜落後の記録で「修理済み」とだけ書くより、「右前アーム接触痕を確認しメーカー点検へ送付、アーム交換後に返却、社内で外観とホバリング確認を実施」と書いたほうが説明力は大きく高まります。

記録は後から完璧に作ることが難しいため、普段から点検整備のたびに必要情報を残し、ファイル名や写真番号までそろえておくことが、いざというときの負担を減らします。

記録を残すほど点検整備は運用の資産になる

ドローンの点検整備記録の記入例で大切なのは、登録記号、実施年月日、総飛行時間、点検や修理や改造の内容、実施理由、実施場所、実施者、その他特記事項を、後から読んでも経緯がわかる形で残すことです。

最初は公式様式の項目に沿って短く書くだけでも十分ですが、プロペラ交換、モーター確認、装備品の取り付け、接触後の確認、メーカー修理などは、対象部位と作業後の確認結果を添えると実務で使える記録になります。

日常点検記録には発見した状態を残し、点検整備記録にはその状態に対して行った作業を残すという分け方を意識すれば、飛行前後の確認から整備対応までの流れが明確になります。

業務で使う場合は、紙と電子の併用、写真番号のひも付け、機体別の台帳、確認者の設定、社内ルール化を進めることで、記録が単なる義務対応ではなく安全管理と品質説明の資産になります。

点検整備記録は一度だけ整えれば終わりではなく、飛行のたびに積み上がる機体の履歴なので、迷ったときほど「誰が見ても次の安全判断に使えるか」を基準に書くことが重要です。

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